運動の第2法則(ma=F)について実験から考えてみよう

運動の第二法則

高校物理でもっとも大切な数式といったら何でしょうか?

いろいろな意見があるかもしれませんが、多くの人がma=Fという運動方程式を答えるのではないかと思います。

今日はそんな「運動の第2法則」である、質量・加速度・力の関係(F=ma)を確かめる実験を紹介します。使うのは定力装置という実験道具です。この装置は、止まっている物体も動いている物体も、常に一定の力で引くことができる装置です。

http://ec.yagami-inc.co.jp/shop/o/o4223300-R01

 ワイヤーが2本ついていて上のワイヤーが0.49N(50gの重さ)、下のワイヤーが0.98N(1kgの重さ)で引いてくれます。実際にばねばかりでチェックをしてみると、ややばらついた感じはありますが、大まかにはこれらの力で動いているときも止まっているときも引いてくれるということがわかります。

実際には力学台車を手でがんばって一定にして台車を引くということでも実験できます。定力装置を使ったほうがテクニックによらずに一定の結果を出すことができますが、1万円もするので、個人で気楽にたくさん買うことはなかなかできませんが、学校で、各班に、ということであれば、そんなにハードルとしては高くないように思っています。個人的に1つ家用に買ってみようかなどと思っています。それでは実験の紹介です。

科学のレシピ

目的

質量・加速度・力にはどのような関係があるのかを調べる。

準備するもの

定力装置、力学台車、ビースピ×2、1mの定規、割り箸、紙粘土×3(1つが500gのものを使用しました)、電子天秤、ニュートンばかり(2N程度)、電卓、ビニールテープ

ビースピとは速度計のことです。

方法

① ニュートンばかりをよこにして、読み取る赤いラインが0Nを示すように調節します。定力装置のワイヤーの引く力をばねばかりで測っておきます。低力装置には2つのワイヤーがあるので、上下のワイヤーについて確認しておきましょう。

上のワイヤー(   )N、下のワイヤー(   )N

② 力学台車に割り箸をビニールテープなどでつけます。また力台車には定力装置のワイヤーのフックをかけやすいように、割り箸等を使って引っかける場所を作っておきます(図を参照)。

③ 次の①〜⑦の条件で台車を引く力を変えて台車を動かしながら、2つのビースピではかった速度とその間の距離を使って加速度を求めていきます(v2−v02=2ax)。なお力学台車自体の重さは1.0kgぴったりです。

① 実験なし
② おもりなしで、上のワイヤーのみで引っ張る。
③ おもりなしで、下のワイヤーのみで引っ張る。
④ おもりなしで、上と下のワイヤー両方を引っかけて引っ張る。
⑤ 台車に500g分のおもりをのせて、下のワイヤーのみで引っ張る。
⑥ 台車に1000g分のおもりをのせて、下のワイヤーのみで引っ張る。
⑦ 台車に1500g分のおもりをのせて、下のワイヤーのみで引っ張る。

まとめ

・①〜④をつかって、a-Fグラフを作ります。

・③、⑤、⑥、⑦をつかって、a-mグラフを作ります。またa-1/mグラフを作ります。

この実験からわかること

この実験をしてみると、a-Fグラフから引く力と加速度には比例関係があることがわかります。a-mグラフを見ると、反比例の関係があることがわかります。a-1/mグラフを作ってみると、比例関係が見て取れます。

これらのことをまとめると、次の式を導くことが出来ます。

F=k a/m

 1kgの物体を1m/s2で加速させるために必要な力をF=1とすると、kは1になりma=Fが導かれます。このときの力の単位をNニュートンと定義しているという説明までつなげることができます。

授業で実際にやってみると、「運動方程式か〜ふ〜ん」で終わってしまう所が、石橋を叩いたように頑丈に安心して使えたり、運動の第一法則の理解にまで結びつけることができているように感じました。実験道具も安いのでもしよかったら導入してみてくださいね(^^)

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。