なぜ?心が通じる科学実験のふしぎ

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今年度、はじめて中学1年生の理科を担当しました。
それまでは高校生を中心に、中学3年生までしかもったことがありませんでした。

年度当初は、中1について定年でやめられたベテランのS先生に忠告を受けました。

「話が通じないから、何度も同じことを言う必要があるよ!」

「宇宙人だよ」

というように。

たぶん冗談も入っていて、ぼくをからかう目的もあったと思うのです。

今まで小学生向けの実験講座もやってきているので、
そんなに難しくはないだろう、という気持ちもありましたが、

ぼくはまんまとその言葉を信じてしまい、恐る恐る授業にいきました。

実際に対面をしてみたら、小学生にも見えるような生徒たち。

宇宙人には見えませんでした。

しかし、見た目ではもちろんなく、確かになかなかぼくが話していることが通じない。

生徒の立場であれば、白衣をきたおじさんがちょっと難しそうなことを
話しているのだから、向こうとしても火星人かタコに見えていたかもしれません。

でも授業をしてみて、呼吸を合わせようと思って、わかったことは、

「お!伝わったぞ!」

ということが、たくさんあったことです。

「これは通じるんだ」、「あれ?これは通じないんだ。」

通じるポイントが見つかると、うれしいものです。

そして心がつながったとき、妙な一体感がでて、盛り上がります。
それもおどろきの1つでした。

つながる一番のポイントは、やっぱり演示でも、生徒実験でもそうで、
実際に観察することにありました。

例えば液晶を顕微鏡で見たときの様子を、昨日の記事で紹介しましたが、

ビックリ!スマホ顕微鏡でPCの画面を見てみた!
さてこれは何でしょうか? スマホ顕微鏡「ハンディー顕微鏡petit(プチ)」 先日北千住の丸井にはいっているハンズにて、スマホ顕...

こういったものは、大人がみても、子供がみても、心を揺さぶり、感動するものです。

液晶を拡大すると、赤と青と緑の光で構成されていることがわかります。

中1には見せていないのですが、絶対に通じます。

そこに言葉はいらなくて、「おお〜」となる。

資料集やビデオなどで見るのではだめで、
やっぱり目の前でやることが大切なのですね。

ぼくの説明は不必要。

たぶん人間ならだれしも、例えば文化を共有しない集団にも、
「科学の面白さ」というのは、届くとおもうのです。

中学生と心がつうじたとき、その後の授業はずっと楽になりました。

同じ体験を共有したからかもしれません。
それにしても、なぜ観察したときの驚きや喜びは、人間に共通するのかなぁ。

ふしぎ。

実験というコンテンツのすごさと、誰にでも授業ができるのだなという自信を
持てた1年でした。

プロフィール

桑子 研
桑子 研(くわこけん) 1981年群馬県生まれ。共立女子中学高等学校の理科教諭を務めるかたわら、サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など科学啓蒙書・参考書・絵本など10冊。東京書籍の教科書編集委員・ナリカサイエンスアカデミー公認講師。

全国で科学教室を実施中!

幼児から高校生までの科学実験教室をひらいています。また教師のための実験×ICT講座を全国で行っています。