ジグソーパズルとブラックボックスで科学を学ぶ

SEPUPという研究会の2日目にきています。1日目の記事はこちらからどうぞ。

米バークレーの講師から学ぶ理科実験が1日3000円で受けられる!
 アメリカの名門校バークレー校から講師をお招きして、日本SEPUP研究会が主催する、講習会が夏に行わられます。私もこの機会に会員に...

今日も午前中のみの参加させていただきました。今日のSEPUPに参加をしてみて、SEPUPとはこういうものなのか、ということが少しつかめた感じがしました。

SEPUPでは、問題がまずあります。例えば環境問題を解決するために、何を学ぶか?を考えていく、そういう意味では、自分の世界との関わりを持つことを大切にした教育です。

そんな中で、日本SEPUP研究会が開発したモジュール「ブラックボックス」を体験しました。ブラックボックスの講座で、はじめに取り組んだのが、3種類のジグソーパズルです。

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これを一度壊してピースをまぜて、一定時間内に完成させられるかを競いました。1人1つずつ与えられます。

できた人も、できなかった人もいましたが、問題はこのジグソーパズルは

1人でできるもの(合意形成が必要ない)
答えがあるもの

であるということです。

毎日の授業がこのジグソーパズルのようなものにはなっていないか?という問題提起でした。

対して日本SEPUP研究会で開発を行った、ブラックボックスが次に配られました。

まずは木箱が渡されます。この木箱を持ち上げてみると、「カラカラ」っと音がします。木箱の中にはボールが入っているようです(中がみえないのでボールかどうかは確信はもてません)

ボールを転がしてみると、ボールが壁にぶつかり、
何やらこの箱の中には、仕切りなどがあるようです。
このボールの音等をヒントにして、木箱の構造を考えるというワークショップです。

昨日紹介した4−2−1の形態をつかって、4人で班を組み、
2人で1つのブラックボックスが渡されます。
そして玉をころがしたり、身近にあるものを使って構造を考えて、
1人1枚のワークシートに記入していきます。

0-1

2人で構造を考えた後に、4人で構造についてお互いで話し合い、班ごとに発表をします。

その発表をきいて、もう一度ブラックボックスの中身を検討します。

最後に答えを渡されるのかなとおもったのですが、そうではありませんでした。
ブラックボックスの教材には、なんと答えはありません

現時点で正しいだろうということを、玉の音などを理由に
根拠をあげていき、4人の中で合意形成するということが目的です。

ですから、間違っていることもあるかもしれないのです。科学とはこのように、現時点で正しかろうという論理的な証拠をもとに合意形成がとれたこういうものだということを、体験をとおして学ぶことができるすばらしい教材でした。

学校で勉強をしていると、どうしてもたった一つの正解があるものだという意識が
生徒の中に芽生えてしまいますが、それは本来の科学とは違いますよね。

疑いの目を持つということが大切です。

私も気象学に関する研究をしていたのですが、今手元にあるデータを使って、
それらを解析して、こういうメカニズムが働いているのだろうという推論と根拠を
まとめていったときに、はじめて科学的な思考法を少し身に付けることができました。

このような単純な教材で、短時間に科学の思考法について学ぶことができ、
そして「授業で発言をすること」の壁が下がるなんて驚きです。

このワークは、中学や高校の一番初めの授業で取り入れると効果的なんだそうです。

一見理科?と思ってしまいましたが、楽しくも、勉強になる2時間でした。

ナリカでこのブラックボックスは売られているので、お試しください
一度体験しないとなかなかわかりにくいものでもあります。

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。