万有引力のエネルギーの公式にはなぜ「負」がつくの?


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万有引力の公式で納得がいなかいのが、なぜマイナス?!

これを読めば、スッキリ解決します!

 

あなたは万有引力の公式のマイナスの意味わかっていますか?

万有引力の位置エネルギーの公式の導出はなかなかやっかいなところです。

教科書を見ても、難しい説明であまりよくわからないのではないでしょうか。

単に不定積分をすると負がでてくる!だけの理由ではありません。

積分をするということの、具体的なイメージはどんなものなのか?

 

よくメールで質問を受けていて、

個別には答えていたのですが、今回わかりやすくまとめてみました。

 

地球の上、重力による位置エネルギーと比較しよう

「万有引力による位置エネルギー」を突然考えるのではなくて、

まずは「重力による位置エネルギー」がなぜ、

mgh

となるのかについて考えてみましょう。

 

まず地表面にあるリンゴの位置エネルギーを考えます。

質量mのリンゴにはたらく重力はmgです。

このリンゴをh0の場所からhの場所まで持ち上げるのに

必要な仕事を求めます。

 

みなさんご存知、mghが導出されますので、いっしょにやってみましょう!

 

位置エネルギーの求め方

ゆっくりと持ち上げるために必要な力は重力と同じmgです。

この力を加えながら持ち上げればいいので、

位置エネルギーは次の図の赤で塗られた部分の面積に相当します。

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この面積、見たとおりで計算できますが、

ちょっと高度な計算テクニック、積分を使って計算してみましょう。

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あれ?まだ公式のmghが出てきませんね!

位置エネルギーは基準点を0とします。

つまり今回ははじめにリンゴのあった場所h0を地面のh=0まで下げていってみます。

 

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もうちょっと!!

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 下げきりました。さきほどの式「h0」に「0」を代入してみてください。

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 すると位置エネルギーはmghとなります。

 

これが位置エネルギーの導出方法です。

まったく同じように万有引力もやってみましょう。

 

万有引力の求め方

リンゴのかわりに、月を高さr0からrまで引っ張りあげてみましょう!

そのときに月がもった位置エネルギーを求めます。

 

まず万有引力の公式はこちらです。

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重力の公式mgと違うところは、

地球からの距離rによって、力の大きさが変化することにあります。

先ほどと同じようにグラフを使って考えてみましょう。

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このF-xグラフで赤で囲まれた面積が、月を持ち上げるときにした仕事、

つまり月に蓄えられた位置エネルギーになります。

 

重力の場合と違い、変な形をしていますね。

 

このような場合、細かく面積を切り分けて足し算していく方法、積分が有効です。

では万有引力をroからrの範囲で積分してみましょう。

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積分についての説明は省きますが、頑張ってやっていってくださいね。

これで赤く塗った部分の面積がでました。

 

でもちょっと待って下さい!

 

(1/r0 − 1/r)は図をみてわかるように、r > r0 なので、

(1/r0 − 1/r)の部分は「正」になりますよね。

 

万有引力の位置エネルギーは「正」です。

 

「roに対してrの位置にある月は」正の位置エネルギーをもっています。

リンゴと同じなんです。まだ万有引力のエネルギーは負になっていないんですね。

 

 

でも、まだ「正」なだけです!

 

ではなぜ負になるのか?

一番のポイントは基準点をどうするのか?ということにあります。

地球においてある物体なら、地面を基準にするのは誰もなっとくするでしょう。

 

では月はどうでしょうか。

月は別に地球の地面を基準にする必要なんて

 

まったくない!

 

ですよね(単なる人間のエゴでしかありません)。

 

ではなくて、地球も、他の惑星もまったくない、

無限の彼方を基準にしたほうが 良いのではないでしょうか。

 

他の惑星と比較する時も、「何もない場所」を基準に比べたほうが便利そうです。

というわけで、roをずーっと無限までもっていきます。

20130926191824

まだまだ〜!もっともっと!

20130926191823

まだまだ〜〜!!!!!

20130926191822

よーし!ここまで!

とここまでもっていきます。

 

というわけで基準点r0を無限まで持っていきます。

すると先ほどの万有引力による位置エネルギーの式の

1/r0の分母が∞になるので、0になります。

20130926191826式を整理すると、

20130926191827マイナスがでてきました!

「負」です!

 

このことは基準を無限の上空にしたために、

当たり前でrよりもr0が上(右)にあり、

r0の位置エネルギーを0Jと決めました。

(ここは勝手に決めた!)

 

rの位置にある月は、無限の彼方の基準点よりも「下」にあるので、

「負」の位置エネルギーをもっているということになります。

 

このように無限遠を位置エネルギー0と考えると、

「全ての物体は負の位置エネルギーを持つ」

ことになります!

 

どんな惑星でも、月でも地球でも太陽でも、

全ての惑星、また目の前のリンゴでさえも万有引力による位置エネルギーは負になります。

 

これが負の位置エネルギーを持つ考え方です。

私たち地球人は、宇宙の彼方からすれば、落ち込んでいるところにいるというわけです。

 

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参考図書

高校物理を復習するための本を書きました。

こちらに万有引力の公式の楽しみ方!についても書いているので

合わせてご覧いただければとおもいます。

20130924130129 今日の『科学のタネ』

万有引力が負になるのは「そう決めたから!」だった