アツアツでお届け!当日解説センター物理(発展)2016(H28年度)

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。 

センター物理(発展)

ケン博士
2時間ほど前に終わったセンター試験2016を、今日中に解説します

まずは物理から解きます(追って物理基礎を解き始めます)。初めての方はまずはこちらのページを御覧ください。過去のセンター試験の解説や、おすすめの参考書についてまとめてあります。

物理基礎の解説はこちらからどうぞ。

[blogcard url=”https://phys-edu.net/wp/?p=23798″]

当日解いているため、間違いもあるかもしれません。
何かございましたら、お問い合わせからご連絡ください(^^)

問題はこちらから見ることができます。

[blogcard url=”http://mainichi.jp/exam/center-2016/”]

物理 2016年(平成28年度)

第1問 小問集合

問1

同じ速さで打ち上げた場合、鉛直成分の初速度が大きな方が、滞空時間は長くなる

参考:鉛直方向の距離の式

スクリーンショット 2016-01-18 7.01.57

同じ速さで打ち出されている場合は、次の図のように角度の大きな小球1のほうが、
速度の分解をすると鉛直上向きの速度成分が大きくなる。

スクリーンショット 2016-01-17 20.43.41

答えは①のT1>T2となる。キーワードはベクトルの分解

問2

不導体の場合でも、正に帯電した棒の付近には、表面の原子の中で自由電子が動き、負に帯電をするため、引力がはたらく。(例:風船を布でこすり、発泡スチロールの粒の側にもっていくと、発泡スチロールが吸い付く。)

誘電分極:導体の場合には、自由電子が自由に動けるため、正に帯電した棒を近づけると、AやBの中にある自由電子(負)が表面まで移動をして、引力がはたらく。

ウ 静電誘導:(C)の状態で、Bは電子が集まっているので負に帯電している。またAはBに自由電子を供給したため、正に帯電している。このことから(d)のように引き離しても、正に帯電したままである。

答えは①

参考ビデオはこちらを御覧ください。

問3

波の数式化の手順は、

ステップ1 原点の振動を記述する

ステップ2 時間をx/v遅らせる

の2ステップで作っていきます。

ステップ1 原点の振動を記述する

グラフを見ると、原点の振動はsinになっているので、y=0.2sinωtという数式になる。なお角振動数ωについては、周期との関係式ω=2π/Tより、グラフから周期を読み取ると2秒で1回振動しているので、

スクリーンショット 2016-01-18 7.06.58

となる。よってy=0.2sinπtとなる。

ステップ2 時間をx/v遅らせる

次に時間tをx/v遅らせる。これは原点を揺らした波が、ある位置xに到達するときにはx/v秒遅れてくることによる。よって、

y=0.2sin{π(t-x/v}となる。vに問題文より2を代入すると、答えは④番となる。

ケン博士ポイント

波の数式化の問題。波の数式の基本形は、x=A□{ω(t-x/v)}。□にはsin,cos,-sin,-cosのいずれかが入る。ここを抑えておこう!詳しい式の作り方は、拙著『ぶつりの123波動編』を参考にどうぞ。

問4

運動量の保存から、物体Aの速さVを求めると(右向きを正)、

0 = −MV + mv

スクリーンショット 2016-01-18 7.09.27

また図のようにAに対するBの相対速度は、

スクリーンショット 2016-01-17 21.26.37

となり、その大きさは、

スクリーンショット 2016-01-17 21.30.20

答えは④番

問5

熱量保存の法則から、失った熱量=得た熱量という式を作っていく。

スクリーンショット 2016-01-17 21.33.46

熱を失ったのは温度の高かった金属球、熱を得たのは温度が低かった水になるので、変化後の温度をTとすると

C2(T2 − T ) = C1(T − T1)

(金属が失った熱量=水が得た熱量)

Tについて解くと、スクリーンショット 2016-01-17 21.37.07となります。

このように、普通、熱の移動は必ず高いほうから低いほうへと移動し、その逆は起こらないので、これを不可逆変化といいます。振り子運動のように、位置エネルギーと運動エネルギーの変化が常に起こる変化を可逆変化といいますね。答えは⑤番

第2問 電磁気

A 問1

まず変化前と変化後の絵を書きましょう。

スクリーンショット 2016-01-17 21.46.29

ここで3つの式を作っていきます。①電気量の式、②キルヒホッフの式、③電気量保存の式(島をみつけよう!)の3つとなります。

電気量の式より、

Q1=4μV1 ① 、Q2=3μV2 ② 、Q3=1μV3 ③

キルヒホッフの式より、

+10 −V1 −V2 = 0 ④

スクリーンショット 2016-01-17 21.47.36

−V2 + V3 = 0 ⑤

スクリーンショット 2016-01-17 21.47.52

最後に電気量保存の式より、

0 + 0 + 0 = −Q1 +Q2 +Q3 ⑥

Q1 = Q2 +Q3

スクリーンショット 2016-01-17 21.48.54

①〜⑥を連立すると、答えは①番

ケン博士ポイント!

コンデンサー回路の式は、①電気量の式、②キルヒホッフの式、③電気量保存の式(島をみつけよう!)の順番で作っていこう!

こちらは内部生にのみ公開している、ケン博士の動画シリーズです。お恥ずかしいのですが、参考にどうぞ(^^;)

:この解説に、一部誤りがありました。@dai7774さんに教えていただきました。ありがとうございました! 平成28年1月20日

問2

コンデンサーの間の電場は、その公式から、E=V/dなので、誘電体を入れようが入れまいが、Vとdが同じであれば変わらない。また静電エネルギーの式は、

スクリーンショット 2016-01-18 7.18.29

であり、コンデンサーの電気容量Cが誘電体(比誘電率εr)をいれるとεrされるので、εrUとなる。答えは②番。

抑えておこう!

コンデンサーの公式は、 Q = C V、C = εS/d 、E = V/d、U = 1/2CV^2の4つ!

B 問3

一様な電場の場合、Pは下方向に戻ってくるため、下向きの電場が必要になる。よって答えは③番となる。運動は放物運動(2次曲線)を描く。
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また一様な磁場の場合、紙面裏から表側にあれば、フレミング左手の法則より、円運動となりQに戻ってくる。答えは⑤番となる。

スクリーンショット 2016-01-17 22.05.06

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左手は写真のような感じ。中指が粒子の動く向き、人差し指が磁場の向き、親指が受ける力の向き。

参考動画

問4

問3で解説をしたが、運動方向と直行する方向に力を受ける場合、それは向心力となり、物体は円運動をする。そのため奇跡は円弧となる。また要した時間は、まず円弧の長さを求めて、次にそれをvで割れば良い。

円弧の長さは次の図より、円の半径はスクリーンショット 2016-01-17 22.16.36

スクリーンショット 2016-01-17 22.14.14

 円弧はちょうど中心角が90°になるため、円一周の長さの4分の1なので、

円弧=2πr/4 = スクリーンショット 2016-01-17 22.17.48

となる。これをvで割ると、正解は④番になる。

第3問 波動

A 問1

強め合う位置は、図のようにスピーカーの中心にあり、その両端に等間隔に1/2 λ(=L)ごとに現れる。よって音の波長を求めて、それを半分にすれば良い

スクリーンショット 2016-01-17 22.25.22

波の式(v=fλ)より、λ=v/f = V/fo となる。これを半分にするので、答えは②番

問2

ドップラー効果の公式(3ステップ解法)を使ってさっと振動数を求めてみましょう。

スクリーンショット 2016-01-17 22.28.33

① 音源に口、観測者に耳を書く

② 口から耳にむかって音速Vを伸ばす。

③ それぞれの頭の間の長さを読んで、口分の耳×f0に代入をする。

これらのことから振動数はこのようになります。

スクリーンショット 2016-01-17 22.35.27

参考:ドップラー効果の3ステップ解法について動画でまとめました。

次にうなりについて求めてみましょう。1秒間に聞くうなりの回数は2つの音の振動数の差をとれば良いので(うなり=|f1 − f2|)、Bの振動数も求めてみましょう。先ほどと同様に考えると、

スクリーンショット 2016-01-17 22.35.32

となります。よって、大きい方fAから小さいfBを引くと、答えは⑦番になります。

B 問3

膜の厚さはdなので、光の移動距離は往復で2d。また光の速さはcですが、膜の屈折率がnなので、スピードは c/n となり遅くなります。よって時間は、スクリーンショット 2016-01-17 22.40.02となる。

経路差は2dであり、光路差は2ndとなる。境界面Aで反射する光は位相が反転するので、強め合う条件は、

2nd=mλ + 1/2λ

(光路差=強め合う条件)

ここでmは0、1、2、3…

 となる。が、注意!問題文にmは「正の整数」と書いてあり、単なる整数ではない。正の整数は1、2、3…なので、0ではなく、1がスタートになるから、

2nd=mλ  1/2λ

(光路差=強め合う条件)

m=1,2,3…

としておく(解答の選択肢を見ながら解くと、間違えないと思います)。

ここでλは空気中の波長であることに注意して、v=fλより、λ=v/f=c/fを代入すると、

2nd = (m+1/2) c/f

 となる。これが強め合う条件である。エでは時刻tを使って表してほしいので、この数式を整理すると、

2nd/c = (m+1/2) /f

 となり、左辺がtなので、右辺がその答え。よって答えは⑥番

問4

強め合う条件と弱め合う条件のまくの厚さを考えてみましょう。強め合う条件の膜の厚さは、

2nd=mλ  1/2λ より、

d = (mλ− 1/2λ)/2n 式①

弱めあいは、同様に考えると

d = mλ/2n 式②

となります。ここで、文章中に「膜の厚さを限りなく薄くするという」文章があるため、経路差が0の場合を指していることと読むことができます。

そのため、経路差0の条件に適合する、式②のm=0の「弱め合い」がはじめにきて、次に「強め合い」次に「弱め合い」となります。

膜を厚くしていくと、強め合います。これは上の式①のm=1が入った時の場合で、これがdです。

:この解説誤りがあったため、@chokowaka2718さんからご指摘があり、直しました。 平成28年1月18日23時49分

は波長に依存するので、最も小さいということは、波長がもっとも短いものを選べばいい。答えは青色

答えの番号は③番

ポイント

波長は長い順番に 赤橙黄緑青藍紫 。おぼえかたは せきとうおうりょくせいらんし 。

第4問 力学

A 問1

円運動をするとき、向心力の役割をする垂直抗力は仕事をしないので、力学的エネルギーは保存する。力学的エネルギーの保存より、

スクリーンショット 2016-01-17 23.01.02

スクリーンショット 2016-01-17 23.02.08

(はじめの力学的エネルギー=Aでの力学的エネルギー)

これを解くと⑥番になる。

問2

これはよくある問題。Aを通過するためのギリギリの速度は、Aのときの速度が0ではなく、Aにきたときに向心力がmgのみであることが、通過するためのギリギリ条件。

スクリーンショット 2016-01-17 23.05.04

よってA点での運動方程式を作ると、

スクリーンショット 2016-01-17 23.06.06

(運動方程式:ma = F)

これを解くと、スクリーンショット 2016-01-17 23.06.11となる。答えは②番

B 問3

小物体が滑っていないので、Mとmは一体とみなしてかまわない。力学的エネルギーの保存より、

スクリーンショット 2016-01-18 7.30.40

これをd1について求めると、答えは⑤番

問4

滑る前は、2つの物体は1つの物体とみなして構わない。よって運動方程式より、

(M+m)a = kd

a = スクリーンショット 2016-01-18 7.31.22

となる。

また慣性力というヒントがあるので、慣性力について考えてみよう。ばねの縮がd2になったとき、上記の運動方程式と同じように計算すると、加速度はk2/(M+m)となる。

スクリーンショット 2016-01-17 23.17.29

台とともに運動をしている人からこの様子を見ると、慣性力が加速度とは逆向きに物体mについて働いているようにみえる(慣性力の公式 加速方向とは逆向きにmα)。

長さd2のとき、慣性力と摩擦力(最大摩擦力)が釣り合っているとかんがえられるため、

スクリーンショット 2016-01-18 7.33.09

左向きのちから=右向きの力

2について解くと、

スクリーンショット 2016-01-18 7.33.58

答えは⑨番

第5問 熱力学(選択)

問1

AとBについて、それぞれ状態方程式(PV=nRT)を立てましょう。

PA VA = nRTA

PB VB = nRTB

それぞれ圧力についてもとめて、PA /PBを求めます。

スクリーンショット 2016-01-18 7.36.46

スクリーンショット 2016-01-18 7.38.57

答えは③番

問2

表にまとめてみましょう。

スクリーンショット 2016-01-17 23.36.00

体積とモル数は単純に足し算になりますが、圧力や温度は単純に足し算してはいけません。まず今回の場合、温度は外部との熱のやり取りをするので、変化がなくTです。圧力はわからないためPABと置いておきましょう。この状態で状態方程式を使います。

PAB(VA + VB) = (nA+nB)RT

この式と、先ほどつかったそれぞれの容器での状態方程式を使って、

PA VA = nRTA

PB VB = nRTB

PABについて解くと、答えは③番

問3

同じ種類の気体なので、内部エネルギーはnCvTとなります(Cvは定積モル比熱)。ここで、内部エネルギーの変化はnCvΔTと表すことができますが、今回のコックの開け閉めにおいて、温度は一定に保たれています。つまりΔTがそれぞれの気体で0になります。このことから、内部エネルギーの変化はΔT=0なので、0です

ひっかけのような問題ですね(^^;)

答えは⑤番

第6問 原子物理(選択)

問1

ア 光電効果は光の粒子性を示す現象です。

イ これは覚えておきましょう。光子の持つエネルギーはです。

ウ 光電効果の公式(hν=1/2 mv2 + W ※vは粒子の最大の速度)より、E−Wとなります。

答えは⑥番です。

問2

素子電圧を見ると、Vo[V]になっているのが図2からわかります。これは一番勢いのある、飛び出してきた光電子を止めるために必要な電圧を示しています。よってエネルギーの保存則より

1/2 mv2 = eVo

vは光電子の最大速度です。これをvについて解くと、答えは⑧番です。

問3

素子電圧の値が変化していないので、光電管にあてている光の波長(振動数)は同じものをつかっていることがわかります。そのかわり、光電子の量そのものが減っているので、より暗い光をあてたことがわかりますね。答えは④番です。

感想

ケン博士 ひとまずすべて解き終わりました!現在の時間は23時49分です。円弧になって動く粒子の問題が難しかったでしょうか。その他は昨年と同様に広く薄く出題された感じでしたね。みなさんはいかがでしたか?続いて物理基礎を解きたいと思います。験生の皆さん、もしよければご活用ください!

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関連リンクの紹介

→ センター物理(発展)の解説はこちらへ
スクリーンショット 2016-01-09 17.27.57

→ ネット予備校を主催している田原先生のサイトで、センター物理の無料講義動画も見られます。

→ 過去のどこよりも早く!はこちらを参考にしてください。

・平成27年度(2015年) 物理基礎  物理(発展) ※ ときはじめ1月18日8時30分〜解き終わり1月19日1時35分
・平成26年度(2014年) 物理1
・平成25年度(2013年) 物理1
・平成24年度(2012年) 物理1

→ センター物理に関する参考書を書きましたこちらより御覧ください

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