Q&A 電子の動きが想像できません(はく検電器)

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Q 箔(検電器)の問題がよくわかりません。

Yさんから、先日ざっくりとした質問が1文で届きました(^_^;)

なかなかまとまった時間がとれずお答えできていなかったのですが、
この場でお答えしようと思います。

(Yさん、質問と答えがずれていたらすみません。)

なにやら箔検電器に関する問題でつまずいているようです。
定番の問題ですが、まずは学校で実験をしてみて、さわってみておく必要があるでしょう。

どんなものかを確認しておくことは大切です。

箔がひらくようす、指でさわるとはくが閉じる様子などが確認できたとおもいます。

箔に関する問題は、なかの自由電子の動きがどのようになるのかを想像することが大切です。

絵で説明をするような問題を作ってみました。挑戦してみてください!

問題

次の図のように正に帯電したガラス棒を箔検電器の金属板に近づけると電子が移動をして箔がひらいた(②)。この状態で円盤に指を触れると箔が閉じた(③)。そして指を円盤から放してから(④)、ガラス棒を遠ざけると(⑤)、箔は開いた状態になった。この状態になる過程の電子の状態を考えて、図③〜⑤に電子の様子をかきなさい。

スクリーンショット 2015-04-13 23.58.52

解答・解説

円盤や箔の中にはたくさんの自由電子があります。自由電子は金属内を動き回ることができますが、①の図のように全体でみるとその分布に偏りはなく電気は0になっています。①ではわかりやすいように箔の中にある自由電子の様子がかかれています。ここに正に帯電したガラス棒を近づけると、円盤や箔にあった自由電子が引き寄せられます。これが①から②の様子です。

スクリーンショット 2015-04-13 23.59.17

この結果、箔は正に帯電し、反発して開きます。この装置が箔「検電器」という名前がついているのはこのためで、物体を円盤に近づけたことによって、その物体が電気を帯びているのかいないのかが、箔の様子をみることでわかるためです。

開いている箔は、重力にひかれて閉じるのが普通ですが、静電気力によって開いているので不安定な状態です。ここで円盤を指で触れると、箔は正に帯電しているので指から自由電子が金属板に供給されて、箔の場所まで引き寄せられ、箔の電気はゼロになります。

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このため箔は閉じます。③の絵は次のようになります。

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箔にくらべると人間はたくさんの自由電子をもっているために、このような移動が起こります。次に④のように指を離したとしても、③で十分に自由電子は共有されている状態になっているので、箔検電器には何も起こりません。④の答えは次のようになります。

スクリーンショット 2015-04-14 0.00.25

最後に⑤のように帯電した棒を遠ざけると、それまで円盤上部に集まっていた自由電子が棒のプラスの電荷から開放されるので、箔検電器全体に広がります。そのため箔はマイナスに帯電をして開きます。

スクリーンショット 2015-04-14 0.00.49

④の絵は次のようになります。

スクリーンショット 2015-04-14 0.01.08

静電気は目にはみえませんが、このように自由電子の移動を考えながら、現象を見ていくことが大切です。

Yさんご質問ありがとうございました!もし違う内容だったら、またメールをいただければと思います。

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