物理学者が暗記パンの非効率さについて語る!多田将先生とドラえもん

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暗記パンを欲しいと思ったことはありませんか?

3月7日、多田将先生と語る『ドラえもんの道具は実現可能か?』の第3回目、最終回となる講演が開かれました。今回の秘密道具は生徒からもっとも人気の高かった

「暗記パン」

についてです。

宇宙についてもこたえておこう!

が、その前に、多田先生は物理学者であります。
生徒から届いた質問で多かった

「宇宙のはじっこはどうなっているのか?」
「宇宙に中心はあるのか?」

そのようなことについてまずは先生から説明がありました。

次の図をみてください。この1次元には果てがあります。

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棒の両端ですね。これに対して、
次の図のように棒の端と端を結べば、果てのない1次元ができあがります。

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これを2次元に拡張をすれば、果てのある二次元と果てのない二次元(球)が考えられます。

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絵にはかけませんが、3次元空間でも果てがある場合とない場合がある、さて、宇宙はどうなっているのだろうか?

そんなところから講義がはじまりました。

そしてビックバンのお話や、温度とは何か?についてのお話などがあり、

「すべての星が地球から遠ざかっているとしたら、もしかしたら地球が宇宙の中心なのではないか?

という疑問を生徒になげかけました。ここで登場したのが、風船です。

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風船を少し膨らませて、その表面に星を描きます。
(生徒にも一人一つ風船を配布しました)

そして星に名前(A,B,Cなど)をつけていきます。
この状態にして風船をより膨らませると、Aの星からはBやCが遠ざかって見えます。

またBの星から考えれば、AやCが遠ざかって見えます。

Cの星についても同様ですね。

このようにすべての星が地球から遠ざかっているからといって、
地球が中心にあるとは限らない、そんなことを体感させてくれました。

暗記パンは非効率!

宇宙の話のあとには、今回のメインテーマである暗記パンについてです。

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人間がものを認識する時、例えば目という器官は、
網膜に像をうつして、それが電気信号となり、脳でものを判断しているという
流れで脳まで届きます。

ここで大切なのが、「電気信号を使って脳は認識をしている」ということ。

暗記パンの場合は、パンに数式など、おぼえたいものをつけて、
それを食べるということは、

まずは胃や腸にパンがいって、そしてアミノ酸など、栄養物質にパンの数式の情報が置き換わり、

この栄養素を一度電気信号に変える装置を通して脳に運ばなければいけない。

これは無駄だ!!

という結論でした。それに、暗記パンにかける文字は非常に少なく、
パンを何枚も食べる必要があり非効率!人間食べられる食パンは1食で3枚位でしょ。

ということも。

とにかく暗記をしたいのであれば、ヘッドギアをつけて脳に直接電気信号を送るほうが
現実的だ!などと、科学的な見解を教えていただきました。

またドラえもんで登場する「暗記パン」のオチは、トイレにいって排泄物を出してしまうと、
すべて忘れるというオチのある物語でした。

ここで多田先生はいいます。

楽に手に入れたものは、すぐに失ってしまう。暗記パンは、そんな深い話なんや( ・´ー・`)

と、おっしゃっていました。

3回にわたる講演でしたが、1回1回に先生からのメッセージが心に響きました。

1回目(タイムマシン)は、未来行きの切符はあるが、過去に戻ることはできない。

わたしたちは前を見て進んでいくんや( ・´ー・`)

2回目(どこでもドア)は、

人生に近道は無いんや( ・´ー・`)

3回目は、上記のような教訓です。

かならず落ちのあるドラえもんの話と、先生のお話は、生徒に強い印象を残して届いたようです。
アンケート結果からみても、大満足の講演だったようですね。

多田先生、本当に3回にわたる講演、ありがとうございました。
先生とお話をした結果、今後あらたな企画をたてることができそうです。

次回もお楽しみに!

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