実践者は知っている。明日からできる動画授業のノウハウ

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驚くべき方法で

動画授業を作っている

名越先生の実践を紹介します。

これなら、明日から実行できます。

はじめに

反転授業にせよ、JMOOCにせよ、現在注目されているのが

「動画授業」です。

注目をしていても、なかなか動画授業を作成して公開するのは、
技術的に難しいと考えている人も多いと思います。

実際ぼくもそう思っていました。何本かアナログのホワイトボードやペンをかってきて、ビデオを上部に固定したスクリーンキャスト動画を作成したことがあります。

しかし、かなりの労力がかかりまして、数本つかってストップしてしまいました。

そしてiPadを導入して、よりすばやく作れるようになり、現在何本も公開をはじめています

でも、他校の先生または企業の方はどのように動画講義をつくって活用しているのでしょうか。
なかなか実際のところが見えてきません。

そんな中、先日参加させていただいた第4回反転授業オンライン研究会では
「動画の作成方法」がテーマで、ぼくにとってドンピシャの内容です。
(主催者の田原先生がこちらで詳しいレポートを書いてくださっています)

今回はこの研究会の中から、
一番現場の教師が取り入れやすいと感じた
名越先生の事例についてご紹介したいと思います。

この動画方法の特徴は、

「今あるモノをつかって、生徒のために」

というもので、現場の試行錯誤
によって開発された技ということにあります。
名越先生の方法を使えば、ぼくたちも明日から
さっそく負担が少なくて動画授業を作ることができるんです。

ぜひご一読ください。

負担のかからない驚くべき動画活用方法

名越先生が動画講義の作成で使うものはというと、
ありふれたビデオ、ありふれた三脚です。

三脚はかなりミニサイズのもので、
ビデオとあわせても余裕で移動できるようなものです。

これを使ってどこでとるのでしょうか?

名越先生の方法はスタジオなどで撮るのではなく
自分の授業を単純にそのまま撮影します。

しかも撮影をするのは名越先生自身ではありません。
じゃあアシスタントが別にいるの?と思いましたが、
いないのです。

ではだれが撮影するかというと・・・

「生徒!」

なんですね。

じゃあいつ撮影するのか?

というと、なんとこれがまた驚きです。

「授業中」

なんだそうです。

じゃあビデオをどこにおくのか?
そして撮影する生徒は授業を聞けるのか?

疑問が浮かびます。

名越先生がみつけた一番ビデオの設置に
適している場所は、席の一番前の生徒の机の上
だったそうです。

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※ 名越先生から写真掲載の許可をいただきました。

こんなこと、もし思いついたとしても普通は
生徒の机の上におくなんて考えません。

でも名越先生はなんと、
生徒の机の上においてしまいます。

というか、

生徒の机の上でないといけないんです!

その席の生徒がビデオ撮影係りとなり、

授業内でビデオの操作や録画・停止ボタンをおしたり、操作をするとのことでした。

まさに逆転の発想です!

生徒の机の上が狭くなって大丈夫なのかなと
ぼくは心配に思っていたのですが、
写真でその様子をみさせていただいたり、
名越先生の説明の様子から考えて、
この仕組みはうまくまわっているようです。

さらに気になったのは、
ビデオの画面に黒板のサイズがおさまるのか
ということです。

もしおさまらなかったら、
そのビデオの画面の写る範囲内で授業をするのでしょうか。
それはなにかナンセンスですよね。
ビデオのせいで授業に制約が生じてしまうのは。

そこで質問の時間に、名越先生にききました。
しかしその心配は杞憂でした。

黒板の板書はカメラの画面におさまるように
縦列で数カラムに分けておき、
黒板で次の列にいったときは、なんと

「担当生徒がカメラ位置調整を行う」

とのことです。

でもこれだと外に出せるような内容の動画は
とれないじゃないか、なんて思うかもしれません。

それもクリアーしています。

名越先生は授業の動画は基本的には外部には非公開だそうです。

授業の復習したい生徒は、USBを持ってきて提出してもらい、そこに動画授業の内容を入れてあげるのだそうです。

またはDVDに入れて渡してあげて、図書室などのパソコンのある場所で視聴をするとか・・・。

学校を休んだ生徒が復習に使うこともできるそうで、実際に活用をしている生徒の様子も写真で紹介されていました。

これはすごい!
まさに目から鱗の発想です。

何度もいいますが、
こんな方法があったのか〜と驚きました。

反転授業ではありませんし、
ネットを有効活用しているわけでもありません。

しかし、これは実はず〜っと昔から
やろうと思えばできていたことです。

これぞまさに現場感覚ですね。
本校のT先生が開発した、
白黒反転黒板投影法」のような発想の転換です。

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どちらも明日から使えて、
教師の負担は少なく、
しかも生徒のためにもなっているという

この気づきに驚きました。ぜひお試しください。
ぼくもやってみたくなりました!

参考

ぜひ田原先生のレポートを御覧ください。

第4回反転授業オンライン研究会

その他の方の実践例も示されています。

 

参考になる本はこちら

日本のICT教育にもの申す!

MOOC ―大学の革命―
日経BP社